SHUNKANJIN

VOCK

木製クライミングホールド&アクセサリ―製作VOCK オーナー

長谷川 勘太郎 氏

自然に流れに流されて今があります

VOCK(ヴォック)は、岩ROCK(ロック)と木(ボク)を合わせた造語と話してくれた長谷川氏。2011年の夏に宮城県から移住、木製クライミングホールドやアクセサリーを作りながら、現在、各地でボルダリングの指導にもあたる。ゆるく、気負うことのない語り口が印象的な、2児の父でもある。

-移住のきっかけは?
東京出身ですが、もともと田舎暮らし指向が強くて宮城県の田舎に住んでいました。そこで東日本大震災が起こり、南富良野の知人を訪ねてきたのがきっかけです。当初は一時的な避難のような気持ちでいたのですが、ここには赤岩青巌峡というクライミングの聖地もあり、奥さんと二人でとりあえず住もうと決めて今に至ります。占冠の寒さも知らずに住み始めました(笑)。

-クライミングとの関わりについて教えてください
大学で探検部に入りケービング(洞窟探検)をしていた時に遭難してしまい、使う道具がほぼ同じ だったクライミングに転向したのが僕のクライミングの始まりでした。その後クライミングジムで働き、インストラクションやショップの仕事を経験したことが、今になって全て役立っています。 もともとは木製クライミングホールド メーカーとしてVOCKを立ち上げましたがいろんな仕事の誘いを受けるうちに仕事の幅が広がり、今に至っています。今があるのはそういった声かけをしてくださった皆様のおかげだと思うと、毎日ありがとうの気持ちが絶えません。 木製ホールドは唯一自らが作りたいと思って製作し始めたものです。よくプラスチック製のものより滑りやすいと思われるのですが、持つところはザラザラに加工して柿渋を塗り、フリクション(摩擦)を得られるように仕上げています。触ってみるとわかりますよ。 ボルダリングの楽しさは、同じくらいの強さの人と同じ苦しさを味わって、談話しながら課題を共有すること。この楽しさをた くさんの人に感じてもらいたいですね。

-今後の展望は?
経験として強い指標を持つことに疲れてしまったことがあります。移住前の僕は地域活性化なども頭にありましたが、今はそれらは求めるものではなくついてくるものだと思うようになりました。僕が楽しそうにやって、人がついてくる、そして何かが回り出す。結果的に村のため、ボルダリング界のためになったら嬉しいですね。あとは、アクセサリーを作って12年になりますが、お客さまの8割が男性。女性のお客さまを 増やしたいです。ミンネに出品するぞ~!!