SHUNKANJIN

 ふらののガラス屋さん

ふらののガラス屋さん オーナー

山口 一城 氏

僕はいつも恋してるねん

ニングルテラスに店舗をかまえる山口さん。赤い服に赤い車、白髪に ジーンズの洒落たおじいちゃん。いつも大阪弁で明るく話す。今回はそんな山口さんにお話しをうかがった。テーマもなく、気の赴くままお話しくださ った。大阪弁のイントネーションで読んでほしい。

富良野へ一番初めに来たのは1992年に車で日本一周した時。7月やったかな。その時、唯我独尊のマスターにお世話になって以来、奥さんとも出会って、移住してきてん。せっかくやから富良野と大阪の橋渡しができたらなぁと思って色々イベントを企画してきたよ。ジャズライブとか還暦出前寄席、家の庭で女狂言をやってみたり。いつもたくさんの人がカズキのためにって言うて協力してくれる。それはみんなヒューマンやねんなぁ。人と人のつながり、恋があってこそや。  僕は、人と人との出会いは全て恋やと思てんねん。こうしてこの取材の話をいただいたのも、お互いに惹かれあってまた会いたい、もっと話したいと思たから成立してる。仕事もそう、うまくいくのは人と人が恋して、コミュニケーションがとれてこそやねん。今、携帯や色んな便利な機械がだんだんと人をダメにしていってると思う。 そやからコミュニケーションがとれず 挨拶でけへん人も多い。大事なんは ヒューマンやねん。人間味や。いつだって、常にCan I help you?の気持ちなんかお手伝いしましょか?の気持ちでいることが大事やねん。

毎日ニングルテラスのお店に行ってるけど、あそこはめちゃくちゃ贅沢な空間やで。世界各国からたくさんのお客さんが訪れてくれて、国や性別問わず気が合えばお互いに一生懸命話して、1時間も2時間もコミュニケーションをはかる。それも、また一つの恋やね。  それと人生には勘も大事。縁あってニングルテラスに出店の話をいただいた時、テーマが雪と氷やったから、色を使った商品を提案すると「山口さん、色はダメって言ったでしょ!」って何回も怒られたけど、長く続けるためには色もいると思って提案し続けた。これも勘やね。僕の好む色はハッキリした色ばっかりやから、奥さんテイストの色でね。おかげさんで、そこでネックレスを買ってくれたファーストレディに喜んでもらえたり、たくさんの出会いや繋がりができたりして、こうして毎日毎日楽しませてもらってる。あそこは僕の舞台やねん!

もちろん今までやってきた仕事にも勘と恋が活きてるよ。大阪の「帝国ホテル大阪」ロビーのステンドグラスは15人で半年かかったけど、仕上がりのチェックでは稀にみる一発OKをもらって、自分の自慢の仕事になった。札幌の「サッポロビール園」のステンドグラスも、600ピースのガラス片を一つずつ手づくりで仕上げていった。それに灯りがともった時は本当に感動して涙が流れたね。どの仕事もすべて勘が働いて、ヒューマンなつながりがあってこそ成しえてきたこと。どれも大変な仕事やったけど、いつも自分のベストでやってきたしね。富良野での仕事も色々やらせてもらってて、新富良野プリンスホテルのチャペルや、すまいるふらののステンドグラス、「北海道クラシックカーミーティング㏌ふらの」のトロフィーも作らせてもらってるよ。  なんやとりとめもない話しになったけど(笑)、人との出会いも、物との出会いも、一つ一つを大事にしていきたいね。そして、いつまでもカワイイねって言われるおじいちゃんでいたいです!