SHUNKANJIN

占冠村 村民食堂

占冠村 村民食堂

オーナー 細谷 誠 氏

食を通じて地域のコミュニティを育てたい

多彩な経歴を持つ店主の細谷氏。陸上自衛隊第一空挺団(千葉県)で国内唯一の落下傘部隊に所属。退官後、富良野の唯我独尊で3年ほど働いた。次に自衛隊での経験を買われ、トマムリゾートのパラグライダーインストラクターに。そこでは、アクティビティ部門の責任者として体験型観光の礎を築いた。さらに、スポートピアに転職。外国人向けスノースクール、レンタルスキーを始め、多くの事業を軌道に乗せた。その後、縁あって「占冠湯の沢温泉森の四季」を任され、占冠村との関わりを深める中で「もっと村に根ざしたい!もっと村民のために!」という想いから2015年2月、村民食堂をオープンした。

村民食堂は、地域カフェ「ぼっこてぶくろ」内で営業している。地域の誰もが気軽に立ち寄れる、そんな村民の憩いの場に村民食堂は誕生した。営業時間は平日の11時から14時。それ以外は地域カフェとして愛される場所となり、サークル活動や茶話会などで利用されている。

唯我独尊で働いた経験は村民食堂の「店主こだわりのカレー」にも生かされている。カレーや日替わりメニューを求めて今は、村内だけでなく村外から訪れる人々でも賑わう。席数は12席のため、相席が基本。そこから村民と観光客との会話が生まれてまた一つ、出会いが増える。

ここでは、村民食堂で提供される料理がきっかけとなり地域のコミュニティが育ってきた。オードブルや弁当、宴会も予算に合わせて柔軟に対応する。そんな細谷氏の人柄もあって、常連客からは食材が提供されることもある。

村での生き方、歴史を伝えていきたい

細谷氏は村民食堂を運営する傍ら、仲間たちと共に環境教育を行っている。村内の小学生との遠足では川遊び、中学生との遠足では火の起こし方を教えて野外炊事を。修学旅行生向けのプログラムは「よりリアルに本物を提供する」をコンセプトに「感響(環境)プログラム」を実施。ヒグマの棲む森で糞や爪痕の観察、エゾシカの処理・解体を見学するものなど占冠村ならではの体験を用意している。
村の歴史を知る中で多くの刺激を受け、実践。それらを若い世代に伝えていくのも、細谷氏の重要なミッションだ。

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