SHUNKANJIN

占冠村地域おこし協力隊

占冠村 地域おこし協力隊

原野 知有紀 氏

「トペニワッカ」アイヌ語で「カエデの樹液」

東京で働きながら占冠村地域おこし協力隊の求人に応募。採用となり移住。主にメープルシロップの商品化に携わる。村木のイタヤカエデから誕生したメープルシロップ「トペニワッカ」をきっかけに、占冠村をたくさんの方に知ってもらうべく奮闘中!

-メープルシロップについて教えてください
原料は占冠村に自生しているイタヤカエデの樹液です。3月から4月上旬、雪解けの頃に採取した樹液を3段階に分けて煮詰めることでメープルシロップが誕生します。 以前から村木のイタヤカエデを活用してメープルシロップを作ろうという体験は、教育の一環として行っていたそうですが、それはごくごく少量の製造。 商品化=量産となり、手探り状態のスタートとなりました。私にとってはもちろん初めての体験です。まずはメープルシロップに詳しいギャニオン氏に指導を仰ぎ動き始めました。樹液を煮詰めるボイラーは、村の職人さんによる手作りです。その作業は気候の影響も大きく、目指す糖度を超えないタイミングで火を止めるのがとても難しいんです。瓶詰は山菜工場のスタッフの協力も得て、商品化することができました。1年目の成果は100%占冠産のメープルシロップを200本、カナダ産のメープルシロップとミックスした商品をおよそ1000本製造できました。販売方法でも試行錯誤の繰り返しでした。2年目は前年の経験を踏まえて道具も改良、もちろん手作りですけどとても良いボイラーができて生産効率も上がり、100%占冠産のメープルシロップは500本程製造できました。ラベルのデザインはアイヌ文様をあしらったカエデの葉、「トペニワッカ」という商品名もアイヌ語で「カエデの樹液」という意味です。瓶にもこだわりカナダから取り寄せています。現在、占冠村道の駅「自然体験しむかっぷ」や通信販売でも取り扱っています。占冠村のふるさと納税返礼品の一つにもなっているんですよ。    

-樹液を採る体験ツアーもあると聞きましたが
はい。昨シーズン試験的に「メープルの森体験ツアー」と題し、メープルシロップを使ったメニューのランチ付きで樹液採取体験や木工体験などをしていただきました。村外からの参加者が多く、占冠村の環境も楽しんでいただけました。 また、今シーズンも企画したいと思っています。日程や内容はトペニワッカのHPで発信予定です、ぜひチェックしてください!

-今後の展望は?
地域おこし協力隊として占冠村で過ごして2年が経ちました。緑豊かでゆったりとした時間が流れる村を気に入っています。「トペニワッカ」の商品化に携わることでたくさんの方とも出会うことができました。今後はこのメープルシロップを作り続けながら、占冠村の中で「トペニワッカ」を実際に味わってもらえる場所を作りたいなと思っています。その場所が地元の方々も集えるところになると嬉しいです。 観光客の方にも立ち寄っていただきやすいCafeが良いかなぁ♪