SHUNKANJIN

藤井牧場

富良野市 (有)藤井牧場

代表取締役社長 藤井 雄一郎 氏

牛も人もどんどん育てる牧場を目指して

富良野市八幡丘で藤井牧場を経営。日々の牧場運営と共に、今年6月には「富良野藤井牧場直売カフェ」をOPENする等、美味しい乳製品の発信にも力を入れている。1904年創業牧場の5代目社長として、新しい酪農業の在り方を模索する姿に余念がない。

-どのような牧場ですか?
現在、社員は30名(役員含む)、その中には海外からの研修生もいます。少しずつ成長しているわけですが、スタッフが増えると同時に問題も出てくる。そこで、働く人の気持ちになってしっかりとした人事制度を作ろうと考え、形にしてきました。社員として仕事に就いた時にキャリアアップできる道が見えないと、そこで働き続けることは難しいものです。酪農はとても幅広く、人間でいうと産婦人科的なことまで 含まれる。そのような流れも勉強でき、さらに酪農業における一通りの仕事ができるような制度を設けています。規模が大きくなると分業化していくことが多いのですが、それでは酪農の本質がつかめない。色々な仕事に従事し技術を積み重ね、将来的には分場化し牧場長になっていく、そこを目標に成長していって欲しいです。また、より美味しいミルク生産のためにはまず牛の質を上げることが大事で、牛がより心地よく過ごせるようサンドベッドを導入しています。リラックスしてよく眠ることで、上質なミルクをたっぷりと出してくれています。そして安心・安全なものを皆さんにお届けできるよう、酪農部門では国内認証第一号の「農場HACCP」を2012年に取得、衛生管理面でも徹底しています。牛の幸せは人の幸せに なると考え、牛も人も成長できる牧場を目指しています。

-カフェについて教えてください
今年6月に「富良野藤井牧場直売カフェ」をOPENしました。富良野の街中で藤井牧場をたっぷり味わっていただけるメニューを用意しています。ソフトクリーム、牧場直送ミルク、自慢のチーズがとろける牧場サンドもオススメです。当社の生乳を90%以上使った飲むヨーグルトやこだわりのチーズも店頭で販売。今は、この時季の限定メニュー温かいココアも楽しんでいただけます。酪農業はお客様の声を直接聞ける機会が少ないのですが、このカフェでは「美味しい!」という声を直に聞ける。その声が、日々の仕事の励みになり、やりがいにもつながります。

-今後の展望は?
今、酪農農家は減ってきていますが需要はある。選ばれる牛乳を生産し、自社製品の価値を高めるためにも、酪農家としての努力は徹底的にやっていきたいと考えています。目の前の目標は、酪農部門で日本一号のJGAPを取得すること。これからも新しい酪農の在り方を模索し、チャレンジし続けます。 まだまだ次の手を考えていますよ(笑)